ポケモンGOに1日を費やす。
ポケモンGOだけしていた、そんな一日だった。
今日はミニリュウ大量発生の日。群衆に紛れ街を練り歩く。
すれ違う同志たち。
それが僕らの合図。言葉を交わす必要などない。
心の中で『ポケモンゲットだぜ』
今日大量発生したミニリュウは、進化すると大龍『カイリュー』になる。
滝を登り龍になる鯉とは違い、生まれながらの龍。生粋の龍。岸信介の孫、安倍晋三。
そのサラブレッドを求め、多くのポケモントレーナーはスマホ片手に街を闊歩する。
ひときわポケモントレーナー達を魅了するのはピンク色のミニリュウ。
艶やかなその桃色は、通常の青いミニリュウより遥かに貴重であり、ポケモントレーナーとして生を受けたなら、是が非でも手中に収めたい。
かくいう私もそのひとり。
ピンク色のミニリュウ求め、東へ西へ(半径2キロ県内)
しかし、なかなか見つからない。
ビールと油物で膨れ上がった腹が悲鳴をあげかけたその時、鮮やかなピンク色が私の目に飛び込んできた。
ピンクのミニリュウだ。
叫びたい衝動に駆られるものの、スーツケースを引くおばさんにキッと睨まれたことで我を取り戻し震える指でスッ。
ピンクのミニリュウめがけ人の視線を気にしながらスッ。
…スッ
……スッ
………おばさんキッ
…………遠慮がちにスッ
『ミニリュウゲットだぜー』
ついに念願のピンクのミニリュウを手中に収めた。
鮮やかな桃色は赤子のケツの如し。
早速、進化させカイリューにさせよう。
こんなピンクのミニリュウ、さぞ美しいカイリューになるだろう。
私は興奮する指で『進化』ボタンを押した。
すると…
ヨッシーになった。
「マンマミーヤ」